cosplay WT ②

【彼方】

※4枚目の空白にはどんな写真が入るのか、なんとなくでいいので想像してからスクロールしてください。


 人は途方もない階段を一段ずつ上り続けているのではないだろうか。

その階段は、時であったり空間であったり精神であったりと、いろいろな姿をもち、あらゆる方向へと延びている。

そして人は、一段ずつ上昇を続ける。

何処へ向かって? 何の為に? きっとその答えを求めて上を目指すのであろう。

 上昇を描いた第一楽章。ここではゆっくりと、しかし確実に一歩一歩踏み締め登っていく。そして上昇の彼方を発見する。

ユニゾンを徐々に増やしながら第二楽章に入ると、その先には更に世界が広がる。

そこは終点か、はたまた通過点か。


これは “上昇の彼方” という曲に添えられていた言葉です。

この曲について、作曲者さんは「第1楽章では十七弦は人の歩みを表現し、ゆっくりと歩き出すが、足を引きずり、止まってしまう様子が描かれている。」と語っています。(wikiから引用)

この言葉を拝見して、 “上昇の彼方” という曲は人生そのものを表しているんだって思い、この曲がすごく大切なものになりました。

と同時にこれは三輪秀次だ!!ってなって(安直)、絶対にこの曲をモチーフにしたお写真を載せるぞ!と決意。

曲をモチーフにしすぎ!って思われるかもしれません。本当に土下座。曲って、余白を残しながらイメージを共有できる便利なツールだから、どうしても気安く頼ってしまう。


“上昇” というだけあって、この曲を題材にするならお写真にストーリー性を持たせたいなっていうのは決めてて、逆にそれ以外は何も考えてなかった。

一応、起承転結の流れになっています。起では一人だった三輪秀次(13)が、承では三輪秀次(17)に冠を授け、転にて背中合わせで交錯する。結に明らかな空白を入れることで、開かれた終わりにしました。解説にある “そこは終点か、はたまた通過点か。” という部分をちゃんと残しておきたくて。写真の余白から考えるのではなく、白紙から作ってもらえるように。

ちなみに、承で三輪秀次(13)が授けた冠にあしらわれている花は、ガーベラ、あじさい、そしてシロツメクサです。


もう話したかったことを、ほとんど話してしまった。


曲中に散らし爪が使われてる箇所(5分30秒くらいのとこ)を友人が “他のパートが入ってくるって信じて弾かないとできないスピード” って形容してて、筝曲の一番大切なことを教わった気がした。背中を預けるってこのことを言うんだなって思ったけど、それってすごく勇気のいることだなと痛感して、推したちに思いを馳せるなどした。



十六夜